契約書が無くても・・・効力はある

アイデクス

2012年04月27日 16:08

富士山の南麓一帯がリゾート計画地となるようなブームがありました。土地ブローカーと称される人々がこぞって山林所有者を訪問しました。知人のTさんは手入れも出来ない山林に高額な値がついたので売ることにしました。ブローカーさんは手付として数百万円を置いて行き領収書を受け取って帰ったそうです。その後、Tさんが正規の契約と残金清算の請求をしても返答が無く、困惑して私に相談にまいりました。
Tさんは、山林を他に売ることはできず、残金を得ることもできない状態に陥ってしまった訳です。私は、相手が普通の人々では無いと感じましたので気が乗りませんでしたが領収書の振出人に連絡をとり、取引の履行か取消しかを促しました。しかし、その方はダミーであり、領収書は別の方が管理保存しているとのことでした。ダミーの方に、手付金を返還するので領収書を返して欲しい旨を伝えて頂き、東京まで伺うことになりました。無事に振り出しに戻った後に、東京の事務所がとんでもない所であることが分かり、驚いた思い出があります。正規の契約で無くても、充分に効力が発生することをつくづく思い知らされました。